名探偵コナン 考察メモ

【MENU】⇒【About】or【記事一覧】からどうぞ。

黒田兵衛について(ゼロの執行人)

脇田兼則について同様、細かい考察は他の考察サイトさんがされると思うので、ここでは、劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人で気になったことだけ。

ネタバレを含むので、まだ見ていない人は回れ右!

 

(※2018/4/16,17 加筆修正)

(※2018/7/10 訂正)

 

 

黒田兵衛の正体

黒田兵衛=ゼロの裏理事官という可能性を考えてみる。

 

チヨダ(ゼロ)

日本の公安警察で協力者運営などの情報収集(作業と呼ぶ)の統括を担当する係。かつてはサクラ、四係と呼ばれた。現在はゼロに改称されたとされる。

警察庁警備局警備企画課に属しており、任務は全国で行われる協力者運営の管理と警視庁公安部・各道府県警察本部警備部に存在する直轄部隊(作業班などと呼ばれる)への指示と教育である。「チヨダ」という名前は一種のコードネームであり、現在でも正式な名称は不明である。

裏理事官

警察庁警備局警備企画課でチヨダを統括しているのは指導担当の理事官(いわゆるウラ理事官)である。ウラ理事官には警察官僚の中でも入庁15年程度の警視正が就任し、およそ1年から3年にわたって理事官を務める。

ウラ理事官は組織図から名前が抹消され存在が秘匿されるが、キャリア官僚が突然姿を消すことから、誰がその任に就いたのか分かりやすいという。

引用:チヨダ (警察) - Wikipedia

裏理事官は、ゼロを統括している人物。黒田兵衛が裏理事官であれば、降谷零の上司となる。

映画の中で「裏の理事官」というワードを出したのは、映画に登場している黒田の存在を意識してだと思う。

ただ、警視庁捜査一課の管理官と兼任というのは微妙。また、現実には「入庁15年程度の警視正」が就任する様だが、10年間のブランクを踏まえても、階級が黒田と合わない。

しかし、コナン世界の警察組織は、宮本由美の所属が警視庁交通部交通課だったり、キャリアの降谷零が警察学校に行っていたり*1と、現実とは違っていることがたまにあるので、とりあえず目を瞑ることにする。

 

 

原作の伏線

降谷「には僕の方から話しますので…」【85巻】

上司の存在は示唆されている。

 

黒田「意外な着眼点で事件解決の糸口を見つけ推理をバックアップする…眠りの小五郎の知恵袋…警察庁ではそう噂されていたよ…江戸川コナン君…」【87巻】

警察庁のキャリアで、眠りの小五郎とその現場にいるコナンの存在を知っている人物は、降谷零か白鳥警部のみ。

現在、白鳥と黒田は警視庁にいるが、そこで黒田が耳にしたなら、わざわざ「警察庁ではそう噂されていた」と言わないだろう。なので、黒田は警察庁にいる降谷からコナンのことを聞いたのだと思われる。

少なくとも、黒田と降谷には接点があることになる。

 

 

黒田兵衛の口パク

黒田「ぬかるなよ『  』」

「異次元の狙撃手」のラスト同様、映画だからこそ出来る表現。

『  』は口の動きから『ゼロ』説と『バーボン』説を多く見かける。

個人的にはどちらにも見えてしまってどうしようもないので、それぞれの場合を考えてみる。

ここでは、黒田兵衛が組織側である可能性は考えない。電話の相手は、映画の演出から、素直に降谷零とする。

 

『ゼロ』説

名探偵コナンの作中において、「ゼロ」には2つの意味があることを押さえておく。

まず一つは、幼少期の降谷零の「アダ名」。もう一つは、降谷零が所属している「公安組織の俗称」。

 

①黒田兵衛が幼少期の降谷零の「アダ名」を呼んでいた場合

これは、降谷零の幼少期を知っているかもしれない、というちょっとややこしい方向に向かう。原作にそういう伏線はない。

黒田兵衛のキャラクターを考えると、降谷を名前、それも「アダ名」で呼ぶのはどうだろう。そもそも「ゼロ」は、降谷曰く、子供がつけたアダ名。二人の年齢差から、降谷の幼少期、既に黒田は大人である点からも、違和感がある。

ちなみに、幼少期、降谷を「ゼロ」と呼んでいたのは、裏切りシリーズ冒頭の会話から、スコッチだと思われる。

 

②黒田兵衛が「公安組織の俗称」を呼んでいた場合

「ぬかるなよ『ゼロ』」つまり「油断して失敗するなよ」と、公安の士気を高める台詞。流れに合うのはこれかなあと思ったりした。

これは、黒田兵衛は降谷零が公安と知っていることを意味する。また、現在進行形で公安が扱う案件を知る立場なので、『ゼロ』説なら、黒田は公安関係者と推測できそう。

 

『バーボン』説

「ぬかるなよ『バーボン』」。

黒田兵衛は降谷零の組織でのコードネームがバーボンと知っているということ。

公安は個々が高い保秘意識を持ち、捜査官同士も他者が関わる案件を知らないと言われている。それなのに、黒田が、降谷の潜入先でのコードネームまで知っているなら、降谷が潜入捜査にあたる上での直属の上司(=裏理事官)である可能性。それこそ、降谷に直接指示を出し、また、降谷が潜入捜査で得た情報を報告する相手。

『バーボン』説は、『ゼロ』説に比べると、黒田が降谷個人により近い公安関係者というニュアンスになりそう。

ただ、あの場面で黒田がこう呼んだ理由は、煽るような意味合いしか浮かばないけれど。

 

 

その他

コナン 「ええっ!? 10年近く意識不明で入院してた!? 警察病院に!?」

由衣「そうよ! 黒田捜査一課長…何か大きな事故に遭われたらしくて…」

小五郎「なるほど…だからあの年で出向して来たわけか…」

由衣「ええ…もっと若い内に警察庁から地方警察に出向するのが普通だから…」

蘭「じゃああの顔の火傷も…」

由衣「多分その事故の影響じゃないかしら…右目は義眼みたいだし…顔の包帯を取った看護師が腰を抜かしたらしいわよ…まっ黒だった髪が事故のストレスで白髪に変色してまるで別人のようだったそうだから…」

コナン(別人…?)

由衣「意識が戻った今も所々 細かい記憶が抜け落ちてるっておっしゃってたけど…何コナン君…課長の事気になるの?」

コナン「あ、いや…」

黒田兵衛が10年前に裏理事官だった可能性も考えてみる。

黒田は現在50才。10年前なら40才。22才で警察庁に入庁したとすると18年目くらい。裏理事官は「入庁15年程度の警視正」が「およそ1年から3年」務めるという期間に当てはまる。

正直、最初は「10年近く意識不明で入院してた」というのは表向きで、裏理事官となったために表舞台から消えた伏線ではないかと考えていた。しかし、現実では10年間というのは長すぎる様。それに、看護師の証言があるので、意識不明で入院していた話には一定の信頼がある。

また、入院が事実として、裏理事官が大怪我をするような現場に出ていたというのは微妙かも。公安のトップだから、全体を指揮する立場のはず。

結局、10年前の事件が明らかにならないと、黒田の考察は難しい。

 

勘助「まあ、気になるのも無理ねぇよ…どっかの組織の大ボスみてーな面だからな…」

コナン「……」【86巻】

個人的には、黒田兵衛初登場時の大和勘助のこの言葉が答えだと思っている。

どっかの組織の大ボス=公安警察の裏理事官

 

 

 

*1:記事下のコメント欄で、現実の警察組織における降谷零の経歴考察を教えていただいたので見てみてください